ブレスト的なメモ

 最近すごいなーと思うサイトのひとつがクックパッドである。料理はしません。検索サイトやSNS以外で人口に膾炙してるようなサイトってあんまりないような気がする。その中で一見取りにくい想定ユーザーがちゃんとリーチするようなサイト構築を狙ってやっているってすごいことだと思う。ところで、最近コミックダッシュというサイトが面白いと思っていて、ところがこういうサイトで人気上位に上がる本が実際の販売冊数順になるかというとそういうわけではないところが面白くない。つまり、ネットユーザーに好まれやすいコミックが上位に来るのはいいんだけど、ネットをしない層に受けてるマンガもあって、それが何かわかんないけど、そういうのが隠れてしまうのが面白くないわけで。コミックとネットユーザーはわりとかぶりやすいからいいんだけど、これの文芸書・文庫バージョンについて考えるとこれは割と乖離しまくる。何が言いたいかってネットでマスなんか作れない。で、これの文庫版があったら面白いかなとか一瞬思ったんだけど、佐伯泰英の読者っておそらくネットはあんまりやらなくて、そこでできあがるランキングがネットユーザーに親和性の高いものだけで構築されるって考えるとなんだか力が入らない。例えば、しんちょう文庫としゅうえいしゃ(の一般)文庫の販売数なんておそらく全然違うんだろうけど(一般文庫に絞れば2倍じゃ利かない気がする)、ブランドイメージが同じくらいに見えたりする可能性はあるわけだ。非ネットユーザー向けの販売冊数を隠すとそんなに変わりません(それは言いすぎだけど)みたいな状況、つまり重力ピエロほか伊坂は多いけど、東野はあんまりないのと、終末のフールしかないけど幻夜白夜行だって考えると、ね、同じっぽく見えるけど、まあそうじゃないわけで。まあ集英社文庫をくさしたいわけじゃなくて、フィリップ・ロスキターみたいなことがあるからそんな区別しなくていいんだけど。で、何が言いたいかっていうと、ネットって基本的にはリンクモデルつまり「友達の輪」モデルなんだけど、それだと実は佐伯の磐音読んでみたらおもしれーみたいな道が作りづらくて、けっこうつまんないのな。そうやって考えると、やっぱり映像化を前提にしたテレビというメディアパワーってすごくて、ネットとかどうでもよくて、一方でオレはDSとかすげーと思うんだけど、何が言いたいかって、高齢者のネットユーザーを囲い込むようなサイトってなかなか作れなくて、商売にならないかもしれないけど、なんかこう、リーチしやすい環境を作ればなんとかなるかもしれなくて、まあ高齢者なんていう漠然としたターゲットを設定してる時点でこの話は失敗確実なんだけど、クックパッドがすごい話を繰り返すとターゲッティングをしっかりして、リーチしやすいサイト構築をすればビジネスになるという話なわけだ。途中で話が逆になっているんだけど、佐伯読者を含む文庫蔵書サイトは難しいし面白くないんだけど、佐伯の読者にリーチしやすい蔵書サイトは作れるかもしれない。面白くないかもしれないけど、ネットユーザーに親和性の高いサイトを作るよりはエキサイティングな話だと思うんだ。こうなると単純な話に帰結するんだけどな。ところで、オレが小説の面白さを見きり始めているのはそこがつまんないわけで、文芸書売れないっていうのは仕方ないし、どうしようもないなって思うのは、活字文化にリーチしやすさの改良なんかできないし(文体と言う概念があるけど)、ターゲッティングなんかできねえんだよ。ターゲッティングなんかしたらダメだ。書いてからある作家に、そう作家という存在自体にターゲッティングされるわけなんだけど、それは読者が主体的に行かないとうまく機能しないし。オレはこんな狭いコミュニティで社会人やってていいのか。いや待て、社会人ですらないのか。早く死にたい。