はなれて行かないでくれ つきあってくれ
生まれて初めて「THIS IS 偏頭痛!」という状態にある。今まで、偏頭痛という意味がわからなかったが、これだ!という気分。自由に使えるボキャブラリーが増えた。
おれはSF者じゃないのだが、いやその前に、ところで、この「者」というのはなんと読むべきなのか。おれの中では「SFモノ」だったのに、誰かが(たぶん豊崎由美か岸本佐知子か)「SFシャ」と読んでいて、もうこれはちょっとした失恋であるのだった。だが、なんにせよ、本の雑誌は休刊されたら困るので、少しでも買おうと思ったら買うのだ。SF本の雑誌である。その中で感動したのが、最後のほうの三村美衣のSFガイドで紹されている筒井康隆「SF教室」という本の引用である。序文と締め。
切手を集めはじめて、ほんの二‐三十枚たまっただけなのに、もう、切手の目録がほしくなった――そんな経験はきみにはないだろうか。(中略)SF全体のことが知りたい――そんなきみなら、これを読みたまえ。この本はきみのための本だ。
どうか、この本を読み、大学にはいっても、おとなになっても、はじめてSFを読んだ時の感激を忘れないで、いつまでも、いつまでも、このすばらしいSFからはなれて行かないでくれ。いつまでも、いつまでも、ぼくたちや、ぼくたちの愛するSFと、つきあってくれ。
ぼくが筒井さんを大好きだというのはこういうところなのだと思う。この文章だけで泣いてしまうではないか。ぼくは別に筒井さんの本をたくさん読んでいるわけでもないし、それに衝撃を受けたわけでもないのだ。だけど、今、こういうことを言う人がいるだろうか。言って、様になる人がいるだろうか。SF興味ないけど。
あと星野真里が青学の仏文だとわかったのだが(ウィキペディア)、卒論のテーマが知りたい。あと、BRUTUSの巨人特集で、選手の好きな本とか映画とか音楽とかを聴くコーナーがあった。この話は少し近くて、このように有名人の文化的な、アカデミックな方向の趣向が知りたいみたいなファン需要に応える空気がもっとあってもいいと思う。しまった、最初に書きたかったことと違う。
あとムルは行きつけの古本屋(年に2回くらいしか行かないけど)でわりときれいなやつを安く買えました。ここならあるかもと思った一軒目で見つかったときのこの歓び。「オレは狂喜乱舞して寝るぞ」。寝ます。
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