山田孝之の東京都北区赤羽

 最後まで見てしまった。原作があり、しかもその人たちがリアルに出演し、そして山田孝之という俳優だからこそ成立する素晴らしいフェイクドキュメンタリー。フェイクドキュメンタリーっていうか、100%フェイクじゃないし、設定を100%演じているかどうかは分からない、結局は本人にしか分からないという、すごい作り。あの原作からこれが考え付くという。完敗。山田孝之という俳優だから、冒頭のきっかけがあるいはちょっとありそうだと思わせてしまうという。ありえないスイッチが入った場面を見させられているのではないかと。でも山田孝之じゃないと成立しないという、俳優のパーソナリティと文脈まで巻き込んでいるからすごいものを見たなと思ってしまう。赤羽の人自体が面白いという本来事実だった設定のほうがよっぽど嘘くさく見えるという。